副市長&部長メッセージ
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平成28年11月1日
清掃センター所長 小島 康弘

本市では、西知多医療厚生組合及び知多市とともに、昨年度から他自治体のごみ処理施設の視察を行っております。昨年度はこのコーナーで、兵庫県姫路市のごみ処理施設「エコパークあぼし」のシャフト式ガス化溶融炉を紹介しました。

今年度は、茨城県坂東市の「さしまクリーンセンター寺久」と、千葉県成田市の「成田富里いずみ清掃工場」を視察させていただきましたので紹介します。

さしまクリーンセンター寺久


さしまクリーンセンター寺久







「さしまクリーンセンター寺久」は、茨城県と埼玉県との県境で、利根川沿いの茨城県坂東市に位置し、1日当たり206トンの処理能力を有するごみ処理施設です。
施設の事業主体は「さしま環境管理事務組合」(構成市町:境町、五霞市、坂東市及び古河市の一部)で対象人口は約18万人です。
事業方式は「公設公営」方式を採用しており、公共が資金を調達し自ら仕様を決めて建設し、その後の運転管理や維持管理も公共で実施しています。
ごみの処理方式は、「流動床式ガス化溶融炉」という、高温の砂を媒体として、ごみを500~600℃で「蒸し焼き」にし、熱分解性ガスを発生させます。その後、残った熱分解性残さを溶融炉で1,300℃程度の高温で溶融(溶かすこと)し、スラグとメタルを回収し、再利用する方法です。
「成田富里いずみ清掃工場」は、成田国際空港近くの千葉県成田市に位置し、1日当たり212トンの処理能力を有するごみ処理施設です。


成田富里いずみ清掃工場





成田富里いずみ清掃工場





施設の事業主体は「成田市」ですが、隣接する富里市のごみも委託により処理を行っており、対象人口は約18万人です。
事業方式は「公設民営」(DBO)方式を採用しており、公共が資金を調達し、民間事業者が設計(Design)、建設(Build)、維持管理・運営(Operate)を一括して請負い、施設の所有は公共という方式です。
ごみの処理方式は「シャフト式ガス化溶融炉」という、可燃ごみを直接1,700℃程度の熱により、熱分解と溶融を一体化で行い、ごみを燃焼・溶融させ、スラグやメタルを回収し、再利用する方法です。

ガス化溶融炉の解説板



ガス化溶融炉の解説板







西知多医療厚生組合で計画中の新しいごみ処理施設は、東海市と知多市の対象人口約20万人、処理規模1日当たり200トンで計画を進めております。
ごみの処理方式は、今回紹介しました「流動床式ガス化溶融炉」と、前回紹介しました「シャフト式ガス化溶融炉」に、「ストーカ式焼却炉」を含めた3つの処理方式の中から今後選定していきます。
今回の視察結果を十分に活かして、平成35年度の完成を目指し、長期にわたり安定的に効率よく稼動できるごみ処理施設にしていきたいと思っております。
今後も皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

2016年11月1日

平成28年11月1日
教育委員会次長 天木 倫子

名鉄太田川駅周辺は、近年の中心街整備によりその姿は大きく変貌しておりますが、原始古代より多くの先人達が住んだこの地域では、数々の史跡や文化財が残されています。
今回は、その中でも、「可家の湊(かけのみなと)」跡と干拓新田(かんたくしんでん)にスポットを当ててみたいと思います。
★「可家の湊」跡
太田川駅前のスクランブル交差点を渡り、名鉄の高架下を南へ歩くとほどなく、ビジネスホテルの手前に「可家の湊」跡があります。「可家の湊」跡は、通称、御州浜(おすはま)の池とも呼ばれ、丈の高い草に覆われた池となっています。
この池は、万葉集巻十四の「東歌」に、「味鴨の可家の湊に入る潮のこてたずくもか入て寝まくも」(味鴨(トモエガモの異称)の群れ住む加家の湊に入る潮のように早く帰って妻の床に入って寝たいものだ)と歌われた「可家の湊」の跡地と言われ、江戸時代の頃には海と隔たり池となっていたところに、尾張藩二代藩主徳川光友公が横須賀御殿を築き、この池をめぐる庭園である御洲浜も造られたとされています。(「東海市の文化財案内図」2008東海市教育委員会)
今は、すぐ隣の鉄道高架上をひっきりなしに電車が通り抜け、往時をしのぶことはできませんが、耳を澄まし目を閉じると、ひょっとすると伊勢の海の波音や帆掛け舟の姿を見ることができるかもしれませんね。

可家の湊跡1  可家の湊跡2
「可家の湊」跡(御洲浜の池)

★干拓新田
可家の湊跡から国道247号線を渡り、西側(海側)へ向かうと、そこには江戸時代以降に造られた干拓新田が広がっています。
市民体育館北側の国道155号線から北に向かって順に、天保・成宝・天尾崎・川南・後浜・浜・川北の各新田が並んでおり、1750~1910年にかけて、海を埋め立てて造られました。
現在では、田畑や温室に加え、住居や資材置場等、様々な姿となっていますが、市道元浜線を市民体育館から北に向かって歩くと、ほぼ平坦な土地が広がり、西知多産業道路あたりの堤防も眺めれば、何となく干拓新田の面影があります。

現在の干拓新田1  現在の干拓新田2  現在の干拓新田
現在の干拓新田

★お知らせ
今回、ご紹介した「可家の湊」跡や干拓新田をはじめ、市内の文化財を紹介した案内図や市内文化財図録、市内遺跡の発掘報告書などを市教育委員会社会教育課で配布又は販売等しています。秋の一日、市内の文化財を訪ねて散策されてはいかがですか。

2016年11月1日

平成28年10月1日
危機管理監 野口 剛規

今年の4月から、危機管理監として仕事をさせていただいています。4月の熊本地震と長く続く余震活動、8月から9月にかけて台風がもたらした北海道、岩手県を中心とした甚大なる被害。台風はまだまだ心配な時期です。まだ半年という短い期間ではありますが、改めて自然災害と常に隣り合わせにいることを考えさせられ、防災、減災はどうあるべきなのかを、学ぶ時間をいただきました。その中で大事に思ったことを少し書きたいと思います。
災害時の対応としては、「自助」「共助」「公助」の3つに大きく分けることができます。その中で一番大切なのは、「自助」と言われています。まずは各々が自分の身を守ることが必須です。そのための、生きるための備えをすることが、減災の大きな要因になります。しかし、実際に行動に移している人は、まだまだ少ないのでは。「自分は大丈夫」「自分の家は何とかなるだろう」「考えてはいるのだけど」という人が多いのではないでしょうか。
実際に備えていたとしても、自分の身を守ることは簡単ではありません。人には「正常性バイアス」という特性があるそうです。心理学用語ですが、大きな災害や事故に直面したときに、心が過剰に反応しないよう、都合の悪い情報を無視したり、「まだ大丈夫」などと過小評価したりするもので、逃げ遅れの原因にもなると言われています。防災訓練や避難訓練を繰り返し行い、体に覚え込ませることはやはり大切です。
何れにしても、防災を「自分ごと」とすることが重要であると思います。では、どうすれば「自分ごと」と考えやすくなるのでしょうか。
この「自分ごと」という言葉は、ある講演会で使われていたもので、それ以来、私もよく使っています。それは、名古屋大学減災連携研究センターが行っている、名古屋大学防災アカデミーで、月に1回程度開催しています。7月は、弁護士の岡本正氏を講師に迎え、「危機管理を自分ごとにする生活防災の知識の備え」というタイトルで行われました。
特に印象に残ったのが、災害が起きると、人の生活の「被害」「被災」があるというものでした。あたりまえのように聞こえるかもしれませんが、東日本大震災のように大きな災害になると、死者数や建物の被害、インフラや企業の生産活動の被害などがクローズアップされ、人々の生活に関しては、避難所での生活や仮設住宅の整備が主なもので、自宅での生活が始まれば、あまりニュースにはなりません。
しかし、大きく被災した地区では、だれもが生活に何らかの支障を受けることになります。高齢者の生活不安を真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、実は若い世代の影響が大きいのです。若い世代の方々は、会社、公共料金、家賃・ローン、教育、子育て、介護など、様々な「社会との繋がり」があります。これが災害によって失われたり、非常に弱体化してしまうのです。日頃から、いざという時の「生活再建の知恵」を身につけることが、若い世代や、平常時に活躍している方にこそ必要になるというお話でした。
このように日頃の生活から災害、そして防災を捉えると、「自分ごと」と考えやすくなるのではないでしょうか。
現在、南海トラフの大地震で想定されている東海市の震度は、ほぼ全域で6強以上です。どんなに安全対策を実施しても、死者ゼロはあり得ても、被災ゼロはあり得ません。自分を、家族を、地域を守り、できるだけ早く日常の生活に戻れるよう、過去の災害に学び、感受性を高め、想像力を働かせて、必要な備えを少しずつでも実行したいと思います。
名古屋大学防災アカデミーは、予約不要、入場無料で開催されています。一度のぞいてみてはいかがですか。詳しくは名古屋大学減災連携研究センターのホームページまで。防災を「自分ごと」に!

2016年10月1日