副市長&部長メッセージ
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2016年10月1日 No.443「防災を「自分ごと」に!」

平成28年10月1日
危機管理監 野口 剛規

今年の4月から、危機管理監として仕事をさせていただいています。4月の熊本地震と長く続く余震活動、8月から9月にかけて台風がもたらした北海道、岩手県を中心とした甚大なる被害。台風はまだまだ心配な時期です。まだ半年という短い期間ではありますが、改めて自然災害と常に隣り合わせにいることを考えさせられ、防災、減災はどうあるべきなのかを、学ぶ時間をいただきました。その中で大事に思ったことを少し書きたいと思います。
災害時の対応としては、「自助」「共助」「公助」の3つに大きく分けることができます。その中で一番大切なのは、「自助」と言われています。まずは各々が自分の身を守ることが必須です。そのための、生きるための備えをすることが、減災の大きな要因になります。しかし、実際に行動に移している人は、まだまだ少ないのでは。「自分は大丈夫」「自分の家は何とかなるだろう」「考えてはいるのだけど」という人が多いのではないでしょうか。
実際に備えていたとしても、自分の身を守ることは簡単ではありません。人には「正常性バイアス」という特性があるそうです。心理学用語ですが、大きな災害や事故に直面したときに、心が過剰に反応しないよう、都合の悪い情報を無視したり、「まだ大丈夫」などと過小評価したりするもので、逃げ遅れの原因にもなると言われています。防災訓練や避難訓練を繰り返し行い、体に覚え込ませることはやはり大切です。
何れにしても、防災を「自分ごと」とすることが重要であると思います。では、どうすれば「自分ごと」と考えやすくなるのでしょうか。
この「自分ごと」という言葉は、ある講演会で使われていたもので、それ以来、私もよく使っています。それは、名古屋大学減災連携研究センターが行っている、名古屋大学防災アカデミーで、月に1回程度開催しています。7月は、弁護士の岡本正氏を講師に迎え、「危機管理を自分ごとにする生活防災の知識の備え」というタイトルで行われました。
特に印象に残ったのが、災害が起きると、人の生活の「被害」「被災」があるというものでした。あたりまえのように聞こえるかもしれませんが、東日本大震災のように大きな災害になると、死者数や建物の被害、インフラや企業の生産活動の被害などがクローズアップされ、人々の生活に関しては、避難所での生活や仮設住宅の整備が主なもので、自宅での生活が始まれば、あまりニュースにはなりません。
しかし、大きく被災した地区では、だれもが生活に何らかの支障を受けることになります。高齢者の生活不安を真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、実は若い世代の影響が大きいのです。若い世代の方々は、会社、公共料金、家賃・ローン、教育、子育て、介護など、様々な「社会との繋がり」があります。これが災害によって失われたり、非常に弱体化してしまうのです。日頃から、いざという時の「生活再建の知恵」を身につけることが、若い世代や、平常時に活躍している方にこそ必要になるというお話でした。
このように日頃の生活から災害、そして防災を捉えると、「自分ごと」と考えやすくなるのではないでしょうか。
現在、南海トラフの大地震で想定されている東海市の震度は、ほぼ全域で6強以上です。どんなに安全対策を実施しても、死者ゼロはあり得ても、被災ゼロはあり得ません。自分を、家族を、地域を守り、できるだけ早く日常の生活に戻れるよう、過去の災害に学び、感受性を高め、想像力を働かせて、必要な備えを少しずつでも実行したいと思います。
名古屋大学防災アカデミーは、予約不要、入場無料で開催されています。一度のぞいてみてはいかがですか。詳しくは名古屋大学減災連携研究センターのホームページまで。防災を「自分ごと」に!

2016年10月1日