副市長&部長メッセージ


2018年7月1日 No.499「水道事業 現在そして将来」

平成30年7月1日

水道部長 歌丸 俊明

先日、公営社団法人日本水道協会愛知県支部総会のあとに、「水道事業の現在と将来」というテーマで講演会がありました。
現在の水道事業は、近い将来の人口減少社会の到来や、電化製品やトイレなど節水型社会への移行などによって、水道の需要は横ばい、あるいは減少傾向にあります。本市は、1人当たりの使用水量は減少傾向にありますが、給水人口・給水戸数の増に伴い、いまのところ給水収益は横ばい状態にあります。
このような経営状態の中、近い将来発生するであろう南海トラフ地震などの天災からの、水道施設のライフラインとしての機能確保が重要として、施設の耐震化に向けた改良・更新が不可欠となっています。
また、施設の老朽化と同じように、専門職員の高齢化、定年退職が進み、人材の減少するなかで、技術の継承も課題です。

そもそも水道事業は、水道料金の収入で経営を行う独立採算制が基本であり、市民生活に身近な社会資本を整備し、必要なサービスを提供する役割を担っています。しかし、現在の水道事業は、ポンプ場や管路など水道施設の大量更新時期を迎え、併せてライフラインの耐震強化が求められています。当然、それには莫大な費用がかかります。
現在、本市では大規模地震に備えて、ポンプ施設、配水池、配水本管、水管橋などの重要施設の耐震化と、老朽化したポンプ場設備や配水管の更新を進め、安全な水の安定的な供給を図っています。ポンプ場の施設は上野ポンプ場、東海ポンプ場、加木屋ポンプ場と市内に3箇所あり、東海ポンプ場ですべて運転操作し市内全域に給水しています。
現在は、まず本市の水道施設の心臓部である東海ポンプ場のポンプ等機器更新を平成29年度より行っており、その後上野ポンプ場の整備を行う計画になっています。
配水本管につきましては管路更新計画に基づき、耐震管による基幹管路の耐震化及び老朽管の更新を行っています。新設管路及び既設管路の更新においては、耐震・耐用年数に優れた「GX型ダクタイル鋳鉄管」と「配水用ポリエチレン管」を採用し、管路の耐震化・長寿命化を図っています。平成29年度末現在、本市の水道管基幹管路耐震適合率は60.0パーセントとなりました。
6月18日の大阪で発生した震度6弱の地震。ガス管はもとより、水道管にもかなりの影響が出て、大阪府箕面市や高槻市などではかなりの管路破断による漏水被害が出ています。テレビでは電線以上に吹き上がる水、水管橋から吹き出る水、漏水により道路が陥没し大きな水溜まりになっている映像が映し出され衝撃的でした。それに伴う断水も広範囲にわたって発生し、市民生活に大きな打撃を与えています。あらためて管路の耐震化の必要性を痛感したところです。

このように、水道事業は、この先減少していくと懸念されています給水収益と、ますます必要となる水道施設の更新、耐震化の莫大な工事費とのバランスを考え、どのように経営していくのか、いけるのか真剣に検討すべき時期に来ています。
水道は、市民生活や経済活動を支える重要なライフラインであり、将来にわたって安心安全な水を供給するために本市は、常に合理的で効果的な経営を行う必要があり計画的な経営を行うために、投資の合理化、経営の効率化、経営基盤強化の努力を行い、持続可能な水道事業に取り組む必要があると考えています。

最後に、講演の終わりに講師が話された今後の水道事業を考えるポイントを書かせて頂きます。
・長期人口減少社会という人口構造の変化は、需要側だけでなく供給側にも大きな影響がある。
・今後の施設整備は、完成した直後から余剰を運命づけられている。推計値の上ぶれは危険側。運用管理でどこまで無理ができるかで設計容量を削り取れる。
・統合型・分散型いずれの設計思想も論理的にはありうるが、担い手側の体制を含めた検討が必要。

2018年7月1日