地域支えあい活動のススメ
地域支えあいとは何か
私たちは日々、生活をしていくうえで、さまざまな困りごとや暮らしにくさに直面するときがあります。ちょっとした困りごとであれば自分で解決し、いつもの暮らしを継続させることができますが、自分自身が介護を必要としていたり、小さな子どもがいたり、ときには経済的な問題で、自分の思い通りにならない状況にいる場合は、そうはいきません。
医療や介護などの公的なサービスも整備されてはいますが、多様で数も多いちょっとした困りごとへの対応は、そうしたサービスだけでは補うことができません。しかし、ちょっとした困りごとを放置すれば、それはいずれ大きな困りごとになり、孤立死や虐待など、深刻な問題に発展してしまう可能性もあります。
そこで今、核家族化やライフスタイルの変化によって、失われそうな地域のつながりを見直し、再構築しようとする動きが注目されています。それが「地域支えあい」活動と呼ばれるものです。
小学校区などの顔の見える身近な地域で、不安や悩みを相談できる場所や人がいて、困った時は助けてもらったり、困っている人がいれば助けてあげたりできる関係をつくることで、だれもが安心して暮らせる地域をつくることが目的です。それは決して特別なことではなく、隣近所とのおつきあいのなかで今も残る「お互い様」の延長線上にあるものです。それを個人と個人の関係にとどめず、地域の仕組みとして、よりお互いがつながり、生活のちょっとした「困った」を言いあえる、気づきあえる環境をつくり、それを支えあうことで安心の輪を広げる取り組みなのです。
もちろん、高齢者だけが困ったことを抱えているわけではありません。障害をもった人やその家族、小さな子どもを抱えたひとり親などさまざまです。一方で地域の役に立ちたいと活動の場を求めている人もたくさんいます。「地域支えあい」活動を進めることは、だれもが生きがいとやりがいを持って暮らせる豊かな地域づくりにつながるのです。
東海市における地域支えあいの取り組み
東海市では、こうした地域支えあい活動を応援するため、平成24年11月に「東海市地域支えあい活動団体」の登録制度を開始しました。平成25年4月からは「東海市地域支えあい体制づくり事業」をスタートさせ、活動の立ち上げを支援しています。
その背景には、東海市での高齢化の急速な進行があります。平成23年に75歳以上の高齢者を対象として実施した「東海市高齢者実態調査」では、一人、または高齢者夫婦のみで暮らしている高齢者が、高齢者のいる世帯の半数以上を占めるとともに、在宅高齢者のうち、社会参加をしていない人が4割以上いることが明らかになりました。
今や地域のだれもが要介護状態や孤立状態と背中合わせにあると言っても過言ではありません。一方で、元気に活動する高齢者も多く、地域活動の担い手として精力的に活動されています。市では、地域の課題を自分たちの問題として受け止め、活動を始められた人や団体を応援するとともに、地域だけでは解決できない課題を専門職につなげるなど、連携できる体制づくりを進めています。
最初の一歩を踏み出そう
地域支えあい活動は、だれでも、いつからでも始めることができます。まずは身近な人に呼びかけ、相談してみましょう。一歩踏み出してみたいけれど、何から手を付けたらよいかわからないという場合には、市役所や社会福祉協議会に相談してみてください。
必ずしも団体登録をしなければ地域支えあい活動ができない、というものではありません。最初は数人で、隣近所の気になる人と関わることから始めれば、無理をすることもありません。少しずつ活動を始めながら、今地域に何か必要か、何か求められているかを丁寧につかんでいくことも大切です。
活動がある程度広がってくると、今度は運営費(活動費) など、組織の運営も問題となってきます。無償の活動として続けるのか、有償に切り替えるのか、有償に切り替えるにしてもいくら負担してもらうのが適当なのかなど、悩むことはたくさんあります。地域支えあい活動を応援する公的な補助事業や民間助成などもありますので、申請の条件や方法を知りたい場合は、市役所や社会福祉協議会にご相談ください。
何よりも、地域支えあい活動は「自分たちが楽しむ」という気持ちが大切です。しんどい、つらい思いをしながらでは活動が続きませんし、支援される側もつらくなってしまいます。気負いすぎず、楽な気持ちであなたも最初の一歩を踏み出してみませんか。
より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
市民福祉部 高齢者支援課
〒476-0003 愛知県東海市荒尾町西廻間2番地の1(しあわせ村内)
電話番号:052-689-1600
ファクス番号:052-602-0390
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。