平洲塾204 “公衆"は“新民"か? (2)

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1007898  更新日 2024年1月22日

印刷大きな文字で印刷

平洲先生のことば(16) ~言われたかも知れないことを含めて~

“ネオ・ポピュ…”といわれるグループ

 ビックリついで、もう一つ途方もないハナシを書かせてください。ぼく自身が“公衆”に出会ったことです。
 「そんなの珍しくも何ともねーよ。お前さんの商売なら、毎日のように出会っているだろう?」
 とおっしゃられると思いますが、なかなかそうではありません。
 ぼくの考える公衆は、定義したように、「『大学』のいう“自分を新(あらた)めた人”」
 のことをいいます。
 前々回のアメリカ大統領選挙の時のことです。共和党のトランプさんが当選しました。当選祝いにたくさんのグループがトランプさんにお祝いに訪れました。新しい主張を唱えるグループもありました。中に、“ネオ(新)ポピュ…(市民…)”と読める数人のグループがみえました。
 お祝いは、大体、ハグと握手でおこなわれます。入れ替わり立ち替わり、両方共大忙しです。“ネオ・ポピュ…”グループの番になりました。
 ところがどうしたのか、トランプさんがハグを受けずに、突然、身体を硬直させてその場で立ち止まりました。そしてこれはグループも同じでした。数人のグループも固くなって立ちつくしました。
 ぼくの錯覚かもしれません。が、ぼくはそうは思っていません。両方で何かを発見したのです。それがハグと握手をさせなかったのです。
 ぼくはそれを「『大学』に書かれた新民」ではないのかと思っています。
 もちろん、そうだとすれば、

 ・なぜ保守系の共和党側に現われたのか。
 ・新(ネオ)を称しながら、少しも新しくない(ホントは新しいのかも)印象を受ける。

 のはなぜでしょうか。


トランプ大統領が圧倒された理由

 この選挙にはポピュリズム(大衆・民衆主義)政党の復活や新興勢力が多少話題になりました。しかし大勢に影響を与えるほど大きくはなりませんでした。
 「おまえの錯覚だ」
 ぼくは自分にそう思わせました。しかし半分はナットクしながらも、半分はナットクしていません。つまりぼくはあの日、アメリカの民衆の中に、問題にしている、
 「新民」の姿をみたのです。
 トランプさんも同じです。なぜトランプさんなのかはぼくには理解できません。しかし、彼の前に現われたのは、疑いもなく『大学』に書かれた「新民」だったのだと思います。
 完全に“自己を新たにした人間”の姿にトランプさんは圧倒されてハグができませんでした。
 そして、グループのほうも立ちすくみました。これはなぜでしょう? グループはトランプさんの中に“新民”を発見したのでしょうか?
 尾張藩主・徳川宗睦〈とくがわ・むねちか〉や人見弥右衛門〈ひとみ・やえもん〉の問いかけに、細井平洲先生は、
 「たしかに新民に会った」
 と答えています。大儒学者である平洲先生がいいかげんなことをいうはずがありません。では、平洲先生が出会った“新民”とは、どんな人々だったのでしょうか? そして平洲先生たちがめざす
 「中京の文教改革」
 で生もうとしている“新民”は、どういう条件をそなえた人びとなのでしょうか?
 (つづく)

より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページに問題点はありましたか?(複数回答可)

このページに関するお問い合わせ

教育委員会 平洲記念館
〒476-0003 愛知県東海市荒尾町蜂ケ尻67番地
電話番号:052-604-4141
ファクス番号:052-604-4141
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。