平洲塾151 「小説 上杉鷹山」で韓国と市民交流

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ページ番号1004548  更新日 2023年2月20日

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細井平洲先生が、尾張藩の財政改革にどれだけ貢献したかの話の続きを書く前に、ご報告をひとつさせていただきます。
ぼくが書いた『小説 上杉鷹山』は、数年前に韓国の出版社から話があって、韓国語版ができ、韓国国内で販売されました。仲介した出版社の話によると、「時の大統領(崖から飛び降りて自殺した人)が、大統領官邸の青瓦台〈せいがだい、チョンワデ〉に置いて、訪ねる要人に配っている」ということでした。その頃の政治状況で、上杉鷹山の様な人物(もちろん平洲先生が補佐していましたが)が必要とされていたのでしょう。
今回のご報告は、その続きです。正月早々、仲介出版社から、「韓国で販売された分の印税です」という文が添えられて、お金が送られて来ました。もちろん日本の円です。金額を見てちょっとビックリしました。日本の印税としても通用するような額だったからです。今の韓国のウォンの相場でいえば、かなりの冊数になるような気がします。ビックリすると同時に、半分は感慨無量なものがありました。今の文大統領になってから、日韓関係は非常に冷えています。日本側がそう仕向けたわけではありません。文大統領の固定観念に、どうも、「先入観としての反日感情」があるような気がするからです。文大統領は、日本から拉致〈らち〉されて酷い目に遭った金大中大統領を尊敬していた人だといわれますから、やむを得ないのかもしれません。そのことには立ち入りません。ただトップの政治がそういう路線で行なわれていても、実際に生活している市民の間には、やはり“誠実"を重んずる人々がいて、誠実の見本であった上杉鷹山を愛してくれるということは、日韓両国のこじれに胸を痛めているぼくのような人間にとっては、ほっとする思いがするのです。まして自分の書いた小説が、隣国の人に読まれているということは、特別な思いが湧き上がって来ます。これは言ってみれば、「政治家たちの外交を離れた、市民間の交流だ」と言っていいでしょう。その役割の一端に、ぼくが加わっていることが、後期高齢者にとっては生き甲斐を湧き立たせてもらえることなのです。どこの国でも同じですが、やはり、「政治を離れた市民交流」が、必ず存在するものであり、場合によってはそれがきっかけになって、アウフヘェーベン(止揚)され、政治家の心を動かすことにならないとは限らない、という希望が持てるからです。
「金額はいくらだった」という俗な話はここでは致しません。とにかく、思いのほかの冊数が韓国で売れている、ということを、今回は、ご報告したかったのです。先月からの続きは、次回から書かせていただきます。(つづく)

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