平洲塾13「あやまちをおかした人間を保証する (1)」

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ページ番号1004695  更新日 2023年2月20日

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美しい日本人たち 「平洲小語」から 第4回 

あやまちをおかした人間を保証する

今月も細井平洲先生の『小語』からのご紹介です。ただし、小語に書かれていることをそのままお伝えするわけではありません。ぼくは作家なので、細井先生が書かれたことを脚色する(原作を多少変える)ことがあります。その意図は、

  • ぼくが感じとったことを、より誇張して表現する。
  • そのことで細井先生が発信されたメッセージを、より強力にみなさんにお知らせできる。

と思うからです。もちろん、ぼくのうけとめかたがトンチンカンであれば、これはスタートの時点からまちがっているのですから、きびしいご意見をください。それにはなんといっても『小語』の原文を読んでくださることをお願いいたします。原文とぼくがここに書いていることを読みくらべて、

  • へえ、おまえは原文の趣旨をこんなようにうけとめたのか。
  • コラ、原文のイミは全然違う。細井先生におわびしろ。

など、いろいろなご意見が出るでしょう。ぼくはそういうことでみなさんの、より細井先生への接近を期待しているのです。『小語』はエピソードたっぷりですから、当分このやりかたをつづけさせてください。

今回の井上忠八の話は『小語』の56頁から63頁にかけて載<の>っていますが、ぼくがここに脚色して書くのは、58頁の"どろぼう"の話です。原作にないことまで出てきますから、マユにツバをつけてお読み下さい。
***
井上忠八は細井先生と親しい学者さんの父で、代々尾張藩の付家老〈つけがろう〉である竹腰〈たけこし〉家に仕えていました。忠八は力がつよく剣の達人だったそうです。親孝行で年老いたお母さんを背負っては散歩に出ました。近所の四季折々の花などや、チチと鳴く小鳥などをみせるためでしょう。忠八は背中の母親に、「お母さん、桃の花も、木蓮〈もくれん〉の花も散って、いまは山吹〈やまぶき〉の花が咲きのこっていますよ。においのするのは沈丁花〈じんちょうげ〉ですよ」などと説明します。母親は背中でうんうんと返事をします。
ある夜、そんな忠八の家に突然どろぼうがはいりました。
〈この話次回に続く〉

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