平洲塾10「平洲先生が見聞した善行者の話」

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1004698  更新日 2023年2月20日

印刷大きな文字で印刷

新テーマ
美しい日本人たち 「平洲小語」から 第1回

平洲先生が見聞した善行者の話

細井平洲先生に「平洲小語〈へいしゅうしょうご〉」(あるいは単に『小語』)という著作があります。平洲先生が自分で見聞したこと、あるいは他人からきいた話などを、漢文でメモしたものです。使わせていただくテキストは、東海市教育委員会が発行した『細井平洲「小語」注釈』(小野重伃〈おのしげよ〉先生著)です。小野先生は、「この本はどこから読み始めてもよく、どこで読み終えてもかまわない」と書かれています。そこでこのご好意に甘えます。

「小語」の内容は、平洲先生が見聞した善行者の話を綴〈つづ〉ったものです。別な表現をすれば、「日本人の美しい心」の紹介です。幕末の偉大な教育者・吉田松陰〈よしだしょういん〉は、その主宰〈しゅさい〉する松下村塾〈しょうかそんじゅく〉でテキストにしたのは、平洲先生の「嚶鳴館遺草〈おうめいかんいそう〉」と「秘耳長目録〈ひじちょうもくろく〉」でした。後者は、松陰自身が日本の各地を歩きまわって、義人〈ぎじん〉・孝子〈こうし〉・節婦〈せっぷ〉などの善行者の話をメモったものです。これは平洲先生の「現実に生きる人びとの中にこそ、真のまなぶべき教訓がある」という考えを、そのままうけついでいると思われます。

松陰にとって平洲先生は、「会ったことはないけれど、正しい学問の方向を教えて下さった師」のひとりであったことはたしかです。「皆よう聞かっしゃれ」というよびかけで、むずかしい学問をやさしくわかりやすく、しかも身近な生活者の例をあげて説いた平洲先生に、松陰は、"あるべき教育者の姿"を発見したのではないでしょうか。そこで、「よし、わたしもこれでいこう」と思い立ったはずです。

ご存知のように、平洲先生は、大名家(藩)の改革指南役をして、あちこちの大名家で講義をしました。現地に出かけていったり、お城や学校で話をするときに、相手側から、「先生、この土地にはいまのお話にピッタリ合うこういう話があります」ときかされます。先生はそれを克明にメモしました。次回からその話をご紹介します。

より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページに問題点はありましたか?(複数回答可)

このページに関するお問い合わせ

教育委員会 平洲記念館
〒476-0003 愛知県東海市荒尾町蜂ケ尻67番地
電話番号:052-604-4141
ファクス番号:052-604-4141
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。