平洲塾2「入を量り出ずるを制す」

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ページ番号1004706  更新日 2023年2月20日

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入<いり>を量<はか>り出ずるを制す

平洲先生が『嚶鳴館遺草<おうめいかんいそう>』巻一の「野芹上」のなかに書かれたことばです。
嚶鳴館遺草は上杉鷹山<ようざん>たち誠実な大名に贈った「藩政改革の名テキスト」です。このことばは現在でも国家財政や地方財政の運用の原則です。
意味は、「収入にあわせて支出を考えなさい」ということです。家庭の財政運営にもあてはまります。「なんだアタリマエのことじゃないか」と思われる方<かた>もおいででしょう。そのとおりアタリマエのことなのです。
ところが、このアタリマエのことがそのころは国家(幕府)も地方自治体(藩・大名家)も、そして各個人の家でもほとんどまもられていなかったのです。
はっきりいえば、「入(収入)もはからず出ずる(支出)も制さない」というメチャクチャな財政運営が多かったのです。
「必要なカネはなんとかなるさ、ドンドン使っちゃえ」という"いけいけドンドン"式の財政運営がどこでもおこなわれていました。
江戸時代の藩はいまのことばを使えば十割自治です。つまり、自前の政策を立て、その政策を実行する費用はすべて自分の地域で生まなければなりません。
平洲先生が、「地域の資源は農民と土地以外ない」といわれるのはそのためなのです。そうなると、

  • この地域では活用できる資源はなにか。
  • それはどんな物であり、どのくらいの量があるか。
  • 人工的に生産できる物はなにか。どのくらい生産できてその価格はどのくらいになるか。

などということをつねに計算しなければなりません。その総和が「入」なのです。ですから、「入」は単なる収入ではなく、その地域のもつ「経済力」といっていいでしょう。
この平洲先生のことばは、明治維新後、西郷隆盛もその遺訓のなかに書きとめています。もとは孔子のことばだと思います。

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