平洲塾1「恕<じょ>のきもちを大切に」
恕<じょ>のきもちを大切に
恕とはものごとに思ひ(い)やりふかく、人見ずなる身勝手<みがって>をし給<たま>は(わ)ざることなり。
《恕というのは、どんなことでもいつも相手の身になって考えるやさしさ・思いやりのことです。相手のことなどおかまいなく、自分さえよければいいなどということは、ぜったいにしないことです》
『嚶鳴館遺草<おうめいかんいそう>』巻之三
講演にいくと主催者から「色紙になにか書いてください」とたのまれることがあります。若い時にはルーマニアの作家コンスタンチン・ゲオルギュの"たとえ世界の終末は明日であろうとも、わたしはきょうリンゴの木を植える"ということばを書いていました。
でもかなり老齢になりましたので、「もっと短くて・日本人の残したことば」に注目するようになりました。たまたまアメリカの教育・経営・社会活動の方針で"EQ"というのを知りました。エモーショナル・コーシュントの略で、日本では"心の指数"と略されました。"心の指数"というのは、「自分がどれだけ相手の立場になれるか」ということをおしはかるモノサシのことです。
ことばをかえれば、自分が持っている"やさしさや思いやりの量"のことです。そうであればこのことばは、細井平洲先生がいわれた「恕」の意味とまったくおなじです。というよりも平洲先生はいまから2百余年前に、いまアメリカが気がついたことを主張しておられたのです。
その先見性のすばらしさだけでなく、ひろく深い人間愛に胸をうたれます。この一語さえ大切にすれば、わたしたちの社会はもっと住みよく生きがいのあるものになります。それをぜひ東海市から実現し、日本じゅうにこの温かい風を吹かせましょう。
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