平洲塾7「家族は三味線だよ」

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ページ番号1004701  更新日 2023年2月20日

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家族は三味線〈しゃみせん〉だよ

明治のはじめに株式と銀行の制度を日本に導入した渋沢栄一は、「家族は小さな政府である」といいました。家族のひとりひとりが、家庭・地域社会・国家の基礎である、という認識をもって行動すべきだというのです。
義務(あるいはイヤなこと)を果たさずに、権利(自分の好き勝手なこと)ばかり主張していたのでは、家庭はもちろん国家までメチャメチャになってしまうということです。

平洲先生は「家族は三味線〈しゃみせん〉だよ」とおっしゃっておられます。(今月も、『細井先生講釈聞書』からの引用です。面白くって面白くって、いまのぼくはこの本に完全にハマっています。平洲先生が目の前におられて、童門よ、よう聞かっしゃれ、とおっしゃっている思いなのです。)

さて、平洲先生が、「家族は三味線だよ」といわれるのは、三味線は三本の糸によって音を出します。しかし、一本一本の糸の出す音はそれぞれちがいます。それを弾〈ひ〉き手の巧みな調節によって、きく人をよろこばせ、楽しませる音楽に高めます。一本一本の糸には個性があります。口には出しませんが、糸にすれば、「自分の出す音がいちばん美しい」と思っているにちがいありません。でも弾き手にすればそれではダメなのです。
「三本の糸が出す最高の音をうまく組みあわせて、一本の糸では出せない美しい音楽に仕立てあげたい」と考えます。むずかしくいえば、三本の糸の相乗効果(努力によって得られる成果)をつくり出すのです。

何のために? きくひとをよろこばせるためです。一本一本の糸の考えは、自信とうぬぼれとわがままによる自己満足です。自分で自分の出す音にウットリしているのです。そして、もっと深く考えれば、平洲先生の教えは、「一本一本の糸である家族の一人ひとりが、弾き手になりなさい」ということなのです。平洲先生、今月もありがとうございました。

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