平洲塾6「心の鏡はピカピカに」

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ページ番号1004702  更新日 2023年2月20日

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心の鏡はピカピカに

細井平洲先生はつぎのようにいいます。「人間はだれでも心のなかに鏡を持っている」と。
そして、その鏡はいつも人の心や世の中のできごとをありのままに映<うつ>すと。
だから、鏡に映る心やできごとがゆがんでいるのは、場合によっては鏡がくもっているのではないかと。鏡がくもっているのは、こっちの心がゆがんでいてくもらせているのではないのかと。
「だから、心の鏡はいつもピカピカに輝くように磨<みが>いておきなさい」
なぜなら、「心の鏡は自分の物ではなく、天が与えてくれたものだから」と平洲先生はいいます。
天の与えてくれた鏡を平洲先生は、"実<まこと>の心"すなわち"実心<じっしん>"と名づけています。まことの心とは、ありのままの心のことで、ウソイツワリのない心のことです。
人間はよくウソをつきます。自分のためだけではありません。相手をきずつけまいとしてウソをつくこともあります。しかし、これはよくありません。その場はそれですむでしょうが、一過性のものでほんとうの問題解決にはなりません。
"小善は大悪に似たり"ということばがあります。
「その場かぎりのオイシイことばやおこないは、問題を将来にのこす。だから目先の小さな善は、ほんとうは大きな悪なのだ」という意味です。
この反対のことばが「大善は非情に似たり」というものです。
ほんとうの善は、将来のことを考えて対処するから、目先の価値判断からすると、「あいつ、冷たいね」といわれることもあるのです。でも、長い目でみればその方が正しいのです。
おそらく、平洲先生のいう"心の鏡"は、「大善をもとめて小善を捨てなさい」ということでしょう。ですから、ピカピカに磨く努力は、たんに私欲や心のゆがみを捨てなさい、ということではありません。「大善と小善とを見分ける判断力を養いなさい」といことだと思います。
今月も『細井平洲先生講釈聞書』からです。

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