平洲塾5「人間のあいさつって美しいなぁ」
人間のあいさつって美しいなぁ
今月も『細井平洲先生講釈聞書<ほそいへいしゅうせんせいこうしゃくききがき>』からの引用です。(この本はほんとうにすばらしい本です。東海市の平洲記念館で頒けていただけますので、ご希望の方は平洲記念館にお問合せください。)
平洲先生は「むずかしいことをやさしく説くこと」の達人です。"人間のあいさつは美しい"といわれる例えに、人が訪ねてきた時に、訪ねられた人は、「ようござった(よくおいでになりました)」といってむかえる、ということをあげられます。そして訪ねてきた人はこれに対し、「お久しゅうございます。ごぶじでございましたか、ごぶさたばかりで申し訳ございません」といいます。
するとこっちも、「いやいや、こちらこそごぶさたばかりで申し訳ありません」と謝ります。
このやりとりを平洲先生は"美しいあいさつ"だとおっしゃるのです。そしてこういう美しいあいさつは"世界のまこと"だと告げられます。世界のまことというのは"天の誠<まこと>"のことだともいわれます。"天の誠"の例として先生は太陽や月などの天体の話をされます。
- 日(太陽)は毎日毎日、東より、にょこにょこと出る。(日の出を「にょこにょこ」などと表現するのは、平洲先生くらいでしょう。しかしおもしろい表現ですね。)
- 太陽が西から出たという話はきいたことがない。
- また太陽はひとつでふたつもみっつもない。
- 月も三日月からはじまって十五夜になる。
- この時の月はまん丸だ。月がまん丸になるのは十五夜だけだ。
- こういう天地自然のキマリを"天の誠"というのであって、人力ではどうにもならない。
しかし人間は"人間のまこと"というものを大切にしている。だから突然なんの用で来たのかわからない人にも、「よくいらっしゃいましたね」というのだ、と説かれるのです。その裏にはきっと「おセジじゃダメだよ」という教えがあるのでしょうね。
より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
教育委員会 平洲記念館
〒476-0003 愛知県東海市荒尾町蜂ケ尻67番地
電話番号:052-604-4141
ファクス番号:052-604-4141
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。