平洲塾39「古本屋にもおられた平洲先生」

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ページ番号1004666  更新日 2023年2月20日

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古本屋にもおられた平洲先生

むかし、あるジャーナリストが"下からよむ新聞"というコラムを書きました。ふつうの"新聞よみ"は、まず1面のアタマ(トップ記事)からよみ、つぎに4面(社会面)の記事に移る、というのが定道〈じょうどう〉でした。マクロな出来事からミクロな出来事をよむ、というコースです。
それを、"下からよむ"というのは、どういうことだろう? と疑問をもちました。このジャーナリストがいうのは、「新聞のいちばん下の段の本の広告からよむ」ということだったのです。
この新しい主張にはウナリました。「政治・経済のニュースよりも、まず本の広告からよむ」というのは、ジャーナリストとしてはかなり勇気ある発言です。
しかしぼくにとってはまさに"わが意を得たり"というよろこびでした。ぼくもいつも、新聞は、本の広告からよんでいるからです。細井平洲先生もおそらくおなじだった、と思います。
本マニアにとって、もうひとつの楽しみは古本屋さんめぐりです。とくに東京神田の古本屋街は健在で、観光コースにもはいっています。ぼくも少年時代からよくかよいました。先日、ある店で興味ぶかい古本を発見しました。
『伝記走馬燈〈でんきそうまとう〉 森銑三〈もりせんぞう〉 青蛙房〈せいあぼう〉』
というものです。森先生はぼくらにとって巨峰のような存在です。歴史を、人物を中心にわかりやすく、それもキチンと典拠を示して教えてくださる貴重な学者さんです。ぼくも森先生の全集はぜんぶそろえていますし、時にパクることもあります。しかしこういうタイトルの本はめずらしいので、目次をよみました。突然目にとびこんできたのが、「細井平洲・莅戸太華・眞男児佐藤文四郎」の3人の名でした。莅戸太華〈のぞき・たいか〉は、上杉鷹山の改革の推進者で学者でもありました。佐藤文四郎は鷹山の側近で秘書をつとめていました。
その場で購入し、電車のなかでムサボるようによみました。すでにみなさんもごぞんじの話もありますが、目新しいエピソードもあります。「さすが森先生だ」と思わせます。次回からその内容をご紹介します。ぼくにとってもうれしい発見でした。

本のご紹介

細井平洲「小語(しょうご)」注釈
平成7年発行 A5判 345頁 1冊 1,120円(別途送料1冊 350円 650g)
「小語」とは、細井平洲自身が見聞きした君主から名もない人物まで、70人余の逸話が漢文で書きとめられた書物。小野重伃(おのしげよ)氏の研究により完成した、平洲研究の原典となる注釈本。

写真:細井平洲「小語」注釈本

販売窓口

社会教育課(市役所6階)、文化センター、上野公民館、中央図書館、平洲記念館

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問い合わせ先・送り先

〒476-8601 東海市教育委員会 社会教育課
電話:052-603-2211・ファクス:052-604-9290

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