教育長のページ 令和3年6月
6月になりました。統計史上2番目に早い梅雨入りとなり、湿度の高い日が続いております。また、新しい年度が始まり約2か月が経過しました。子どもたちは、学校生活にも慣れてきて、目に見えない疲労を感じているかもしれません。コロナウイルス対策とともに熱中症の心配も出てくる季節です。引き続き、こまめな水分補給、適切な睡眠時間や食事等に留意し、健康管理に努めてほしいものです。
さてこの石像は、市役所正面玄関で来庁者を迎えてくれる細井平洲先生(右)と上杉鷹山公(左)です。太田川駅西側や、山形県米沢市の普門院にも、上杉鷹山公、細井平洲先生敬師の像が東海市制45周年の記念事業として建立されています。皆さんご存じの通り、東海市は江戸時代の儒学者で教育者、細井平洲先生の故郷でもあります。財政危機に瀕した米沢藩を立てなおした名君、上杉鷹山公を教え導いた師として有名です。
東海市では、そんな先人から学ぶ教育が多くの場面で見られます。細井平洲先生の副読本を活用した道徳教育、上杉鷹山公が治めた米沢市との親善交流事業、平洲記念館などの社会教育施設やICTを活用した授業など、先人の教えに触れることで児童・生徒の心の教育に努めているところです。
5月23日(日曜日)に平洲記念館にて令和3年度(2021年度)「学思行賞」表彰式が行われました。今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、参加者を限定し、感染対策を講じた上で実施されました。「学思行賞」とは、細井平洲先生が説かれた言葉「学思行相まって良となす」に由来する賞で、「学び、考え、実行することの三つがそろって、初めて学んだことになる」ことに取り組んだ児童・生徒に贈られます。「リーダーシップを発揮した」「文武両道を体現した」「自ら進んで話し合い活動の司会を務めた」「地域の活動に積極的に参加した」など、市内小中学校の18名の児童・生徒が立派な姿で授賞式に臨みました。
今後も、自分のため、仲間のため、学校のため、地域のために「学思行」の教えを実践したことを周りに広げて、細井平洲先生の教えが溢れるまちづくりの一助になってほしいと思います。
また例年、中学3年生は、修学旅行で米沢市を訪れ、細井平洲先生と上杉鷹山公の再会の場となった普門院などを訪問し、米沢市との交流も深めていますが、今年も昨年に引き続き、行先の変更で残念ながら米沢市を訪れることができません。
まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらの教育活動が続きます。今こそみんなで心を一つにし、「学思行相須ツ」の教えを胸に生活していくことを願っています。
令和3年(2021年)6月
東海市教育委員会 教育長 加藤 千博
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