教育長のページ　令和2年6月

再開に向かって

学校の臨時休業や自宅での勤務など、普段より家にいる時間は長いのに、いつも以上に落ち着かない春を過ごされた方が多かったのではないでしょうか。街では人通りや車の交通量も少なくなり、店舗の中には、一時期シャッターを下ろしたままという様子を見かけました。国内外のニュースを見ても、胸が痛くなる話題が続き、本市においても、劇場をはじめ、体育館や図書館、文化センター等の公共施設を閉鎖したり、事業を中止したりするなど、皆様にもご迷惑をおかけしました。

取り分け、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、これまでになく自宅で長い時間を過ごすことになった子どもたちの心と体が心配されました。学校からもメルマガを使った連絡はもちろん、再開後の準備も含めて、家庭訪問や臨時の登校日を設けるなど、様々な形でアプローチを続けました。ご家庭の方には、登校に付き添っていただくなど、大変ご協力いただきました。また、教育委員会からのメッセージの他、教員研修センターからは、臨時休業中の学習例として、教材のサイトとつないだ時間割や先生方からのメッセージ動画を、ホームページから発信させていただきました。

その感想の中には温かくメッセージを受け止めていただいた方も多く、学校に対して、思いやりのお言葉をいただきました。ニュースでは、医療関係や清掃センターの方へのメッセージ等が取り上げられているのを拝見しましたが、身近に応援してくださる方がいることを、ぜひ市内の先生方にも伝えさせていただければと思います。お互い苦しい中だからこそ、相手のことを思いやる大人の姿は、よき手本として次の東海市をつくる子どもたちに必ずつながっていくことと思います。

学校や市内の公共施設が準備期間を経ながら、少しずつ「日常」を取り戻していけることを祈っていますが、保護者や市民の方々の心配も尽きないことと思います。先日は、ダイヤモンドプリンセス号で消毒活動に当たった方から、小中学校の養護教諭や放課後児童クラブの職員等が、消毒方法を学ぶ研修会を実施しました。今後の安全対策に生かしてまいります。目に見えないのはコロナウイルスだけでなく、休業期間中の子どもたちのストレスも心配です。再開直後は学習だけでなく、そんな点にも十分留意してまいりますので、今後もご協力よろしくお願いします。

令和2年(2020年)6月
東海市教育委員会　教育長　加藤　千博