教育長のページ　令和2年10月

3月から5月に渡った学校の臨時休業の影響で、例年と比べ短かった夏休みが終わり、1か月余りが経ちました。新型コロナウィルス感染症拡大防止の対策に加え、猛暑の中の登校日に、熱中症を心配しておりましたが、学校では活動内容を工夫したり、給水する回数を増やしたり、昨年度普通教室に設置しましたエアコンや、本年度新たに導入しましたスポットクーラー等を活用したりするなどの対応をしてきました。ようやく過ごしやすい季節になってきましたのでほっとしております。夏の間、保護者や地域の方々にも何かとご配慮いただき感謝しております。

さて、小学校では本年度から、中学校では来年度から、新しい学習指導要領が全面実施されます。グローバル化やスマートフォンの普及、ビッグデータや人工知能の活用などによる技術革新が進む激しい社会の変化の中で、子どもたちには、変化を前向きに受け止め、一人一人の感性を働かせてより豊かな生き方をしていくことが期待されています。その理念の実現に向け、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を行い、併せて国のGIGAスクール構想実現のため、本市でも来年度児童生徒一人一台のタブレットPC導入を予定しています。

導入するタブレットPCをすぐ活用できるように、本年度は「4月からの世界を体験!GIGA　Week」と題した事業を行っています。これは、8月31日から2月19日までの期間中、1週間ずつ各学校にタブレットPC40台や大型提示装置などのICT機器一式を貸し出すとともに、ICT支援員も常駐させ、機器の使用方法やタブレットPCの活用事例などを先生方が学ぶ研修を実施したり、授業で実際にICT機器を活用し、互いに参観し合ったりする事業です。

ICT機器を活用することで、自分の意見や作品を大きく映して、学級で共有し合う授業や、遠くに住んでいる人とビデオ通話でつながり、インタビューしたり、お互いの学びを紹介し合ったりするような授業もできるようになるでしょう。

今は、新型コロナウイルス感染症の対応で暗くなりがちな世の中ですが、これからの子供たちの学びが輝く未来を作ってくれることを願っています。社会の変容に合わせ、より効果的な、新しい形での授業が始まっていくことを期待しています。

令和2年(2020年)10月
東海市教育委員会　教育長　加藤　千博