教育長のページ　令和7年11月

　朝夕の空気に少しずつ冬の気配が感じられる季節となってきました。
　日頃より市内の子どもたち一人ひとりの成長を支えてくださっている皆さまに、あらためて深く感謝を申し上げます。

　さて、2026年9月に愛知県内を中心として開催される第20回アジア競技大会におきましては、東海市民体育館でカバディ競技が開催されます。このカバディというのは、インドを発祥とする伝統的なチームスポーツで、攻撃側の選手が「カバディ、カバディ…」と声を出しながら相手陣に入り、相手選手に触れて自陣に戻ることで得点が入るという、とてもユニークな特徴をもっています。ルールはシンプルながら奥が深く、攻守が瞬時に切り替わるスピード感や、仲間同士の連携、そして相手との駆け引きなどが魅力であり、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめるスポーツです。
　私たちのまちがこのような国際的なスポーツの舞台として注目され、多くの選手や関係者、観客が訪れることは、たいへん誇らしいことであると同時に、地域が一体となる大きな契機となるのではないかと考えております。そのため本市では、今年の4月に市民の皆さまにカバディを身近に感じていただき、応援の輪を広げていくための拠点として、教育委員会のスポーツ課内に「アジア大会カバディ推進室」を設置し、その普及や啓発のために次のような取り組みをしております。

(1)　カバディ体験会の開催
　今年度の夏休みに、日本カバディ協会愛知県支部を主催者として、東海市民体育館の剣道場及びサブアリーナでカバディ体験会が合計5回開催され、市内の子どもたちが延べ37名参加しました。子どもたちにとっては初めて体験する競技であったと思いますが、声を掛け合い、仲間と協力しながら挑戦する姿が多く見られ、競技の魅力とチームワークの大切さを学ぶ機会となったようです。

(2)　漫画『灼熱カバディ』の配置と描き下ろしコラボポスターの掲示
　東海市立中央図書館や市内の小中学校、児童館などに、カバディを題材とした漫画『灼熱カバディ』(著：武蔵野創／小学館)の全巻をセットで配置しています。さらに、市内公共施設には、武蔵野先生に本市のために描き下ろしていただいたイラストを使用したコラボポスターを掲示しています。子どもたちが親しみやすい漫画という媒体を通して、カバディのルールや魅力に触れることができる環境づくりを進めています。

(3)　カバディのスポーツ出前授業の実施
　日本カバディ協会愛知県支部の指導者を講師に迎え、市内の小学校8校において、今年10月から来年1月にかけて出前授業を実施し、約880名の児童がカバディを体験します。専門の指導者から直接学ぶことで、競技の動きや戦略をより深く理解でき、子どもたちにとってとても貴重な体験となっています。授業後の感想としては、「実際にやってみて、今までやってきたスポーツの中でも一番楽しいスポーツでした」「また友達とやってみたい」といった声のほか、「来年のアジア大会も観戦したい」という意欲的な声も寄せられています。

　これらの取組は、市全体でアジア競技大会を応援する機運を育てるとともに、市民の皆さま、特に子どもたちがカバディに親しみをもち、その魅力を知っていただくことを目的としています。大会を契機に、スポーツを通じた交流とつながりがまちの中に広がり、子どもたちの豊かな学びにもつながっていくことを願っています。

令和7年(2025年)11月
東海市教育委員会　教育長　鈴村　俊二